雑記.23





謎の民オクファルルトゥとその言語について

少数民族オクファルルトゥとその言語について、微力ながら書き記しておきます。
私は中学生の頃に神田の古書店で『随筆・谷間の民』という古めかしい書籍に巡り逢いました。

奥付をみると昭和15年に刊行された本。三浦無空という真言宗系の僧が仏典や仏跡を求めてチベットに潜入し、厳しい状況の中、ネパール、カラコルム方面を彷徨した旅の記録...
随筆・谷間の民


無空の滞在した村々の位置は曖昧である。
彼の記述と地図帳を照らし合わせてみたところ、オクファルルトゥの谷は、おそらくカラコルム山脈の南であろうと思われるが確定は出来ない。
彼が写真機を携行していなかったことも惜しまれる。

■オクファルルトゥの民について
その民は自らをオクファルルトゥ人であると名乗った。
アーリア系とモンゴル系の混じり合ったような容貌。
オクファルルトゥの土地は、高山(カラコルム?)の清涼な雪解け水にこそ恵まれているものの、土地は痩せていて豊かではない。
数種類の豆を栽培し、豆をそのまま茹でるか、乾燥させ粉にして料理に用いる。豆の葉も野菜として食す。オオバコに似た野草は比較的に豊富で野菜として食す他、乾燥させ、お茶としても利用する。季節は春から初夏に限られるがノビルが重宝される。
動物性のタンパク源は、地ネズミ(タルバガンのようなものか?)と時折捕殺に成功するヤマヒツジくらいである。
ハン(Khan・王)の家も決して豊かではなかった。
いくつかの谷に散在する民を合わせても数百戸、千数百人ほどと推定されている。

■オクファルルトゥの言語について
語順は欧州の言語や東南アジアに多いSVO型である。しかし名詞などの後ろに格助詞や接尾辞が付く点ではアルタイ語的であり、近縁する言語は不明であるが、単語のいくらかはモンゴル語や近隣のウルドゥー語が流入していると思われる。
名詞に性別は無い。
注目すべきは語尾母音の一致である。
・名詞:語尾の母音は「uまたはn」(例:amadu・来訪)(例:語根に「mun」が付くとamadumun「来る人→来訪者」)
・動詞:語尾の母音は「a」(例:amada「来る」)
・動詞命令形:語尾の母音は「e」(例:amade「来なさい」)
・動詞過去形:動詞の語根に「anda」が付く(例:amadanda「来た」)
・形容詞:語尾の母音は「i」(例:shunugi amadu「早い来訪」)
・副詞:語尾の母音は「o」(例:shunugo amade「早く来なさい」)
・格助詞:語尾の母音は「n」(例:ashu han「私は」/ashun「私の」/ashu nin「私に」/ashu nen「私へ」/ashu gun「私を」/ashu dan「私と」)
以上のことから、統一性のあるオクファルルトゥ語は、非常に習得し易い言語である。

母音は「a,e,i,o,u」のみ 。母音子音共に種類は多くなくて音素がシンプル。

整然と整理され、音素もシンプルなこの言語は、かつては交易路に発生した共通語だったのではないかと無空は推測している。
スワヒリ語やインドネシア語などのように、元になる言語に多言語の単語を加え、文法を整備した人造言語か。
過去にオクファルルトゥ語が広く使われた時代があったのかもしれないと、無空は記している。

■オクファルルトゥ文字について
文字の形状はウイグル文字や満州文字に似ている。
横書きと縦書きが出来る。横書きは左から右へ、下へと改行する。縦書きは上から下へ、左から右へと改行する。
既に書いた文字のインクを手でこする心配がないので合理的である。
子音の文字の形状は「b,v,h,f」「n,m」「d,t,r」「k,g,j,z,gy,gu,q,c,ch,s,sh」など発音に関連性のある文字同士に共通性が見られる。 この点、習得し易い文字であると言える。

↓オクファルルトゥ文字の例文
オクファルルトゥとその言語
余力のある時に加筆していきたいと思います。(2007.7.31)

※上の文章は全てウソ八百です。オクファルルトゥ語は、私が中学高校時代に造った人造言語です。




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