柳の古木の精。
木の下を通る人の頬を杖でなでたり、樹下で雨宿りをしようとする人の持ち物をさらい取ったりする。 あるいは、美女に化けてたぶらかしたりもする。 古くから、柳の古木は人に害を為すと感じ取られていたようだ。 「古き柳には精有りて妖をなす事、むかしよりためしおおし」『桃山人夜話』 昔、常陸の国に1000年を経た柳の古木があって、美女に化けて人をたぶらかしたり、老婆となって人に声をかけたりした。『奇談類抄』 柳の木は、幽霊やプロの水商売の女性に通ずるイメージがあったのかもしれない。 妖しく、そして油断のならない存在。 柳の木は、死や不吉な存在として捉えられていたようだ。 柳の木を屋敷内に植えると、家が衰える。跡取りが死に絶える。女難となる。 床下に柳の根が至ると病人が出る。 柳腰などと、線の細い楚々とした女性の褒め言葉にも喩えられる柳。 枝垂れる、たおやかな風情と、「陰」の存在とされた女性は、結び付けられやすかったのだろう。 |
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