異名、類縁・・・「ヌリボウ」壱岐島/「衝立狸(ついたてだぬき)」徳島。
あるいは「ひだる神」「ダリ」も同根かもしれない。 筑前遠賀郡の海岸地帯の夜道に現れる怪異。 寂しい夜道を歩いていると、突然、行く手を壁のようなものが塞ぐ。 壁の横へ横へと伝って行っても前に抜けることが出来ない。どうにも前に進めずに立ち往生してしまう。 この手の怪異に遭遇した時は、とりあえず冷静になることが肝要のようだ。 棒で下をはらうと消えるそうだが、上の方をはらっても効き目はないという。 『妖怪談義』柳田国男より 若い頃、しばしば山々を縦走した。山の空気が身に合っているのか、いくらか登ると疲れが無くなって、いくらでも力が湧いて来たものだ。 しかし山によっては、まるで元気が湧いて来ないで、足が前に出なくなってしまう処があった。 我ながら不思議に思ったが、こういう体験をした昔の人は、なにか壁のような妖怪に立ち塞がれたと感じたのかもしれない。 これは、「ひだる神」や「ダリ」に通ずる感覚のようだ。 とり憑かれると、俄に腹が空き、歩けなくなる。運が悪いとその場で餓死してしまう。 旅の疲労などで血糖値が下がり、冷静な精神状態でなくなったり、疲労感で動けなくなるとか、 局地的な火山性ガス、腐植性二酸化炭素、酸欠等による現象との諸説ある。 |
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