火車(かしゃ)

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火車(かしゃ)
異名、類縁・・・「キモトリ」/「カシャンボウ」/「キャシャ」/「魍魎」

禍々しい化け猫の様な怪が、怪しげな黒雲や嵐とともに忽然と現れ出て、死者を奪い去る。

元々は、生前に行いの悪かった死者を捕らえ運ぶ地獄の獄卒。鬼。
鬼の引く火の車が、この妖怪の名前となった。
昔の人達にとって、家族の遺体を火車に捕られることは一族の恥として、火車は大いに怖れられたそうだ。

時代を経て、火車の鬼は化け猫の姿に変遷していく。
猫には死体に感心を示す習性があるとみた昔の人々が、猫を死者から遠ざけるべき魔物であると考えた。
そのことから、死体を奪う火車と猫のイメージが融合したようだ。
やがて、鳥山石燕が描く頃になると、火車は、名の由来となった火の車は描かれず、人型の化け猫の単体が死者を奪う姿となっている。
「カシャ」「クワシャ」とも表記される。

また、墓を漁り死体を喰らう魍魎と性質が似ているところから、魍魎の類いとしてみられるようにもなった。
牛頭馬頭-鬼-火の車-化け猫-魍魎-山童-河童と、変遷や類縁の関係があるようだ。

このサイトの著作者は、たま、/児玉智則です。
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