煙々羅(えんえんら)


煙々羅(えんえんら)
異名、類縁・・・煙羅煙羅(えんらえんら)、
あるいは閻羅閻羅

「しづが家のいぶせき蚊遣の煙むすぼゝれて、あやしきかたちをなせり。まことに羅(うすもの)の風にやぶれやすきがごとくなるすがたなれば、烟々羅(ゑんゑんら)とは 名づけたらん。」
(貧しい家屋の燻した蚊遣りの煙が絡み合い、妖しい形をつくる。全くもって薄布が風にたなびいて破れそうな姿なので、煙々羅(えんえんら)と名付けよう。)
鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』

今のご時世では自宅の庭で焚き火をするのもはばかられるが、昔はいろいろなところから煙が立ちのぼった。
竃(かまど)、囲炉裏、風呂炊き、野焼き、炭焼き...
雲や煙が様々な流れや凹凸を形作りながら姿を変えていく。
見る人の心持ちによっては、楽しく見立てたり、不気味な姿に映ったりする。
閻羅は閻魔の意味であり、しづが家から立ちのぼるという煙々羅は、余りありがたい物ではないのかもしれない。
地獄の炎から漂ってきた煙の化け物か。あるいは暗い情念の炎の現れか。

このサイトの著作者は、たま、/児玉智則です。
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