GIFアニメ
As Time Goes By




『時の過ぎ行くままに』
カサブランカ、そしてサジタリウス

(5秒ほどで次のシーンに変わります)

とても好きな映画とアニメの掛け合わせ。

バーグマンのイルザが美しい。きれいな女の人だとは思っていましたが、今観ると、なんとも初々しい娘さん...私も歳をとったもんだ。。

なぜかバーグマンの代表作には、思想がかったというかメッセージ性の強いものが多いような。
『ジャンヌ・ダルク』『誰がために鐘は鳴る』そして『カサブランカ』など...

ナチス・ドイツに支配されたフランスを救うためにレジスタンスとなれ! 
そして、世界のために銃をとって立ち上がれ!
『カサブランカ』は、そういうメッセージのプロパガンダ映画ではあります。
あの当時のプロパガンダ映画というと、国民を踊らせろ!ベタで単細胞な煽りでOK!
みたいな映画が多いかもしれません。連合国側も枢軸国側も。
その点、『カサブランカ』は良く出来ているなあと思います。シナリオが優れているのかな。
登場人物達は、ちょいと古狸?と思うような先の見えない行動を。
自分の本当の気持ちに立ち返るために二転三転。
伏線として、台詞が後の場面でリフレインされたり。巧みですね。

そして、『As Time Goes By(時の過ぎ行くままに)』
映画『カサブランカ』で有名となったこの曲が生まれたのは1931年。『カサブランカ』は1942年の公開。
曲の歌詞は、この映画の筋立てと見事に重なります。
『As Time Goes By』の歌詞になぞらえて作られたシナリオなのでしょうか。
洒落ていますね。

ボガートのリックは痛々しい...
ピアノ弾きのサムの言葉「Leave him alone, miss Ilsa. You're bad luck to him.」
(「リックにかまわないで下さい、イルザさん。あなたは彼にとって疫病神なんですよ」みたいな...)
全くもってその通りというか(苦笑
パリでは、心にでかい風穴を。
過去を忘れようと、異国の街でお店をやっていたら、男を連れて現れて、心の大きなカサブタをベリッ!とはいで...
相手の男は、客を煽って『ラ・マルセイエーズ』を大合唱。ナチに睨まれて、大事なお店は営業停止。
それまで培ってきた人生全てを失い、自分の命も投げ出して、女とその相手の男に幸せを譲り...
自分は危険な戦場へ...
見方によっては、踏んだり蹴ったりではありませんか。。

名台詞「Here's looking at you, kid.」
「君の瞳に乾杯」として有名ですね。
私なりに解釈すると「君を見ていることに乾杯、お嬢ちゃん!(それだけで俺は幸せなんだよ)」かな?
リックがイルザに話しかける時、しばしば「kid」が添えられます。
リックとイルザの間の二人だけの思い出の愛称かなと、子供の頃は思っていましたが、
どうも「お嬢ちゃん」みたいなニュアンスかも。
我が身を犠牲にしてイルザを送り出すリック。しかし、そんな時でも「お嬢ちゃん」...
少し腰が引けたような照れを感じます。
「kid」は、この男の純情さ、不器用さを表しているのかもしれません。

警察署長との会話で、「彼女はそりゃ美人だよ、しかし連れて行く必要はないだろ?」と訊かれて、
リックは「She isn't just any woman.」と答えます。
「どんな女とも違う(彼女は特別なんだ)」
愛する女性を女神のように崇拝している感じです。
「♪オ〜 マイ ダーリン クレメンタ〜イン」で有名な映画『荒野の決闘』の主人公がヒロインを崇め愛おしむ姿を思い出します。
触れるのもためらう宝物のように...
中世の騎士が(無理やりにでも)意中のレディを見いだして崇拝していたという西洋の歴史的な伝統でしょうか。
もちろん、レディは生身の人間なのですから、欠点もいっぱい持っていることでしょう。
それでも騎士は、その現実を通り越して、この人と決めた女性を神格化し、ファンタジーのような存在に祭り上げていたとも聞きます。
そのファンタジーのために、厳しい修行もするし命も懸けられる...
任侠映画の鶴田浩二さんや高倉健さんのような不器用で純な主人公像とも相通ずるかもしれません。
人間って、幻想を食べて生きて行ける動物なのかもしれませんね。

・   ・   ・   ・   ・   ・   ・   ・   ・

『宇宙船サジタリウス』は好きなアニメーションでした。
『未来少年コナン』や『ペリーヌ物語』、『東方見聞録マルコ・ポーロの冒険』などに熱く燃えたのを最後に、
戦いばかりの粗製濫造アニメの群れに嫌気がさし、アニメや漫画は全く観なくなってしまいました。
漫画を楽しむ童心は無くなった、そういう歳かもしれないなと感じておりました。
そんな頃に『宇宙船サジタリウス』に出会いました。
あのような作風の作品は、当時非常に珍しかったような気がします。
こんな作品を観たかった...そう思いました(^^)


2008.2.2更新


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