チェチェンの歌姫マッカ・サガイーポワ Макка Умаровна Сагаипова/Makka Umarovna Sagaipowa/マッカ・ウマーロブナ・サガイーポワ。 1987年2月14日、チェチェン・イングーシ自治共和国(当時)グロズヌイ市生まれ。 お父さんは、チェチェンの民族的アコーディオン奏者のウマール・サガイーポフ。 2003年、16歳から音楽活動を開始。でも、彼女の考えとしては、18歳になったら辞めて、モスクワの大学で本格的経済を学ぶつもりだったそうです。 そして、17歳にして結婚。ご主人はチェチェン人の大富豪で実業家のマリク・サイドゥラエフ氏。二人のお子さんがいらっしゃるとのこと。 いろいろあったみたいですが、ご主人の協力も得て、今は歌手活動に復帰しているみたい。 YouTubeなどで歌を聴いて、「チェチェンのポップスって、こうなんだ〜、へぇ〜〜〜!」とちょっとカルチャーショックでした。 今時のアラブポップス調。テクノな音作りの踊りたくなくなるようなリズム。こういう曲で、チェチェンの裕福な層や若者達はディスコみたいに踊るのでしょうか。 「Макка Сагаипова」で検索すれば、動画等もけっこうたくさんヒットします。 私は、テクノ調やアップテンポな曲は苦手ですが、「Хьо цхьаъ ву са」や「Нана」は、しっとりした感じのトラディショナルな響きで好きです。 「Мавлид」も良い感じ。イスラム色の強い内容でしょうか。歌声の響きがブルガリアンボイスみたいで心地良いです。 「Красивый парень(美男子)」という曲が多くアップされてます。好みじゃないけど、小林亜星さんが作曲した曲みたいに、一度聴いたらメロディが頭にこびりついて離れません(;^^) マッカ・サガイーポワさんのことは、つい最近まで知りませんでした。 大好きなアスリート、サルマン・ハシミコフ選手の絵を描きたいなぁと検索してたら、「なに!?この超好みの美少女は!!」って感じのマッカさんの画像が検索に混じっていました。たぶん、出身地のグロズヌイ繋がりで検索に引っかかったのでしょう。 グロズヌイ…チェチェン…微妙な地域ですね。遠く離れた日本人の感覚では、ロシアの火薬庫、紛争、テロ…などと言ったイメージばかり。。 「グロズヌイ市」の語源は、「恐るべき」みたいな意味だそうです。英語だと「formidable」でしょうか。 チェチェンは、現代のロシアにとって、のど元に刺さった刺のような存在で、まさに「恐るべき/恐怖を覚えさせる」存在です。 チェチェンなど、コーカサスの民族は、遥かな昔から周辺の他民族の略奪を被ってきました。 世界史上、どれほどの民族がこの地を蹂躙したことでしょうか。 コーカサスは油田地帯で、大国間の思惑に翻弄されています。 アメリカ内陸4州にまたがるホピ族などネイティブアメリカンの自治区では、ウランが国の利益として採掘されます。地元のネイティブにとっては「母親の内臓をつかみ取られる感覚」だそうです。 マッカさんが生まれた頃は、チェチェン・イングーシ自治共和国でしたが、ソビエトが崩壊し、ロシアになったら、チェチェン・イングーシの国は認められずに分離されてしまいました。 チェチェン人とイングーシ人は、元々民族として分けるほどの大した差は無かったようです。東京都民と神奈川県民の違いくらいでしょうか。 それを巨大権力のロシアやソビエトは、統治し易いように無理矢理分離し、弱体化させたかったわけです。それは今でも続いています。 コーカサスは美人の産地でもあるそうで、若い頃に愛読した『19世紀ロシアの作家と社会(R・ヒングリー著/川端香男里訳)』には、「地球上でこのコーカサスほど、人種言語が錯綜している地域はたぶんほかにはあるまい。チェルケス人は西コーカサスに住んでいた、チェルケスの娘は美貌をもって知られ、トルコのハーレムに珍重された」と記されております。 民族誌学者のМагомед Хасиев氏などによれば、 チェチェン人の外見の特徴は、明るい目、ブロンドの髪、丸顔。チェチェン女性の性質は、洗練された、平和で穏やか。非攻撃的な性格。 ・・・伝統が残る保守的な文化なのでしょうか。 しかし、チェチェン女性の道徳や衣服は、近隣地域の同じイスラム教徒とは異なっており、女性はズボンではなく、スカートやドレスを好むようです。 ポップスなどの文化はアラブ的ではありますが、服装は、イスラムとしては緩やかな感じかな。 マッカさんもムスリムなのでしょうけれど、髪をあらわにした画像も見かけます。まぁ、ほんと、お綺麗です。 コーカサスの知人達は、親父どのは強面やゴッツイブサイクでも、娘さんはマッカさんみたいな美少女だったり。美人が多い地帯なんでしょうねぇ (^^) この絵のまんまの写真は存在しません。そのまんまトレスしても面白くないし芸が無い。 出来るだけ沢山の資料を集めて吟味し、自分が描きたい構図やイメージを再構築して描くのが、リアル系肖像画の醍醐味です♪ |
このサイトの著作者は、たま、/児玉智則です。
画像、文章を無断で複製・転載する事を禁じます。
Don't use my picture and materials without permission Не использует мою картину и
|